商業作家になって失敗した話①
そもそも呉西しのってどんな人?
自戒も込めて、失敗を書いていこうと思います。
その前に呉西しのってどんな人? ってところから。
2015年 NHNcomico株式会社よりデビュー。ノベルの週間連載を2年ほど経験。
それ以降はチャット系ノベルのシナリオライティングや、アプリゲーム、 PCゲームのシナリオに参加。竹書房より「百物語サカサノロイ」出版。くるみ舎、夢中文庫より女性向け小説が 20冊以上電子書籍が発売中。
ちょっと振り返るのですが2015年、comicoでチャットノベルのサービスが始まりました。
そこで夏だったか、β版としてPCからノベル投稿サイトがオープンしたのですが、ちょうどcomicoの漫画を読んでいた私は「ノベルでも書いてみるか~」と軽い気持ちで投稿し、その年の冬くらいに編集部から声をかけていただきました。
当然私はずぶの素人で「えっ、プロットってなんですか?」「小説の作法って?」「日本語ってなんですか?」みたいな、底辺のレベルからお金をいただく立場になってしまったのです。
週刊連載で2000~3000字を書くのですが、それさえも「フーフー」言うほどで、本当になんでこんなヤツに声がかかったのか不思議でした。
でも、
せっかく得たチャンスを棒に振るのは、めちゃくちゃ惜しい!
絶対に食らいついてやる!
と思いましたし、本を読んだり、文章作法を調べたり、人気のジャンルをリサーチしていきました。
自分なりに努力したつもりです。
(今思えば、本当に『努力したつもり』だなと感じる。もっとやれることがあっただろう)
それで、素人なりに頑張って2本連載、約2年ほど連載させていただきました。
2作目の「彼メイク」は、そこそこ人気がでてランキングにも掲載いただいた覚えがあります。
失敗と後悔
で、そんな中で何が失敗だったかと申しますと
何もしなかったことが問題でした。
いや、努力したんじゃないの? 本読んだり、リサーチしたりしたんでしょ?
と思うかもしれないんですけど、
仕方がなかったこととはいえ、2年間も連載させていただいたのに、
週にその2000字ほどしかほぼ書いていなかったんですよね。
さっき、上で
せっかく得たチャンスを棒に振るのは、めちゃくちゃ惜しい!
絶対に食らいついてやる!
って書いたのに、チャンスをめちゃくちゃ棒に振ってるし、食らいつけてないんですよ。
この当時は会社員もしていたので、週刊連載の原稿を書くだけでも大変でした。
でも、書くのは楽しかったし、せっかくチャンスをもらったんだから
作家を本業にするのは無理でも、副業としてコツコツ続けていきたいと思っていました。
もう上の思考……今の私が過去に戻れるなら
「砂糖水より甘いわ!!!! 片腹痛いわ!!!!」
と自分を殴っていたことでしょう。
じゃあ、結論何をしていればよかったのか。
断然、書いて、書いて、書いて、営業、営業、営業です……。
comicoでの連載は本当に、実力に伴っていないラッキーチャンスだったと思っています。
作品『彼メイク』は自分にとって転機になりましたし、閲覧数もありがたいことにビックリするくらい多かったです。
それなのに2年間、納品原稿だけしてた私……。
愚策すぎる……。
その後押しを使って、ガンガン営業していれば、
もっと違った私がいたかもしれないのに……。
今思えば当然なのですが、comicoで連載を終えてしまえば
次の仕事なんてありませんし、普通はどこからも声がかかりません。
だって、星の数ほど作家はいるんだもの。
指をくわえていてもお仕事はやってこないんですね。
でも素人の私はそれがわからなかった。
というか、そういうふうにして消えていった作家も多いのではないかと思います。
私は奇跡に奇跡が重なって、作家を続けられていますが
そんな今でも自分から営業しないと、お仕事はいただけません。
本当に、本当に当時を後悔しています。
それほど営業というのは大事だということですね。
そして古くなった実績は使えなくなります。
旬な時期に自分を売り込むしかないのです。
少し経って、それを痛感いたしました。