【京都文学フリマ】私は、この作品を推すぞッ!【作品感想レポ】
【プロフィール】
呉西自身が文学フリマに行ったという、どうでもいいレポートはこちらをお読みください。
勿論買うのも楽しかってんけど、
話しかけると皆ちゃんと答えてくれて、
記事にしてもいいですか? って聞いたら皆「いいですよ」って言ってくれて凄く嬉しかった
話しかけると皆結構ビックリしはるんやけど、
作品の事を聞くと饒舌になるんよね。
もうなんか、それがめっちゃ物書きっぽいっていうか……!
【京都文学フリマ】私は、この作品を推すぞッ!【作品感想レポ】
一作品目はこちら!
作品名:怪獣 制作サークル:サンカクカンケイ
出会い:
二番目に購入した作品。
まず惹かれたのはその芸術的な表紙。引き込まれるように作品を手に取った。
まだこの段階では小説なのか、何なのかジャンルもわからない状態。
売り子の方(のちに作者様と知る)に「これは怪獣、の本ですか?」と聞くと「そうです。怪獣が町で暴れて、それを捕獲した(という設定の)レポート本になります」と言われる。
ぱらりと捲ると、かなり凝ったイラストがズラリ。
イラストが上手すぎる……。
「このイラストもご自分で書かれているんですか?」
「皆元美術部のOBなんです」
そりゃ、上手いわけだ。
「元美術部員全員が、怪獣好き、なんですか?」
「はい」
そんなまさか。絶対、一人くらいはそんなに好きじゃないのに書いているはずだ。
内心そう思いながらページを捲った――
P.3~4
めっちゃセンスが光っているデザイン。
P.4~5
凝りすぎていて絶句するレベル。
もうこの時点で怪獣に対する愛が伝わってくる。
っていうか、隊員のキャラ濃すぎ。アニメ化希望。
P.6~7
巨大怪獣バルベル可愛すぎかよ……。
スカイツリーと背比べしてるよ……。
全然怪獣知らないし、興味なかったけど、これは可愛すぎる……。辛い。
「購入してもいいですか?」
「あ、勿論です!」
文学フリマ、恐るべし……。
怪獣マニア恐るべし……。
なによりこんな素敵本を作り出した本人が目の前に居ることが素敵すぎる。
心の中で作者様に手を合わせながらお会計を終えた。
帰宅後
P.50~51
怪獣の秘密大図鑑ヤバすぎる……。
どれだけ設定を盛り込んでいるんだ。
愛があふれているぞ……。
P52~53
漫画もついている。
濃すぎる。
P80
もう困らない! 決定版 怪獣のほめ方
お腹を抱えて笑い転げるレベル。
触手のほめ方ってなんだ……。人懐っこいのかよ!
帰宅後、笑い転げながら私は読みふけった。
クマにも勧めると、大絶賛。
私と違い、怪獣にも詳しいクマは「コレは~のオマージュ」「コレはゴジラ」と教えてくれた。詳しい人も熱中できる内容になっていることに改めて感動した。
これ程愛の詰まった“怪獣本”はないと思う。
この本を手に取ったとき侮っていた私がとても恥ずかしくなった。
怪獣にまったく興味のない人も、大好きな人も熱中できる素敵な本だ。
この本は是非、すべての人にオススメしたい。
二作品目はこちら!
作品名:ショッピングモール
作者名:キダサユリ
出会い:
会場を三週目くらいした頃だろうか。
いくつかの読み物が気になりつつも、話しかけにくくウジウジしていた。
作者様と目が合った時、さささと目の前まで移動して「あの、見てもいいですか?」ときょどりながらもなんとか口にする。
作者様が「どうぞ」と言って、ホッと息をつき売り場を改めて見た。
売り場にはアーティスティックなステッカーとポストカード、それと本が幾つかだったと思う。
ひときわ目立つ本を手に取って、冒頭を読んだ瞬間「買います」と言った。
人を魅了するショッキングピンクの表紙。
そして、サバ。
P.2~3
ショッピングモールという題名にちなんだ目次がにくい演出。
そして、このイラストに胸がときめく。
P.4
問題の冒頭。
このページだけで引き込まれる。
心を鷲掴み。つかんで離さない。
「イラストはご自分で書かれているのですか?」
「はい。元々はイラストが先で……」
「凄い……。イラストも書けて、文章も書けるんですね……」
「いえいえ、そんな……」
謙遜されて傷つく私。
もっと、誇ってください……。
マネキンの彼氏、ダニエルとショッピングモール内を歩く主人公は「鳥」を探しながらも、目を覆いたくなるような場面を目の当たりにしていく。
色々な方面から精神的に傷つけられる作品。
P.26
コミカルで可愛い豚。
この後、豚が豚に解体されてしまう。
とにかく読み終えると喪失感を覚える作品。
だけど、冒頭のインパクトに才能が光りすぎて、何度も手に取って読んでしまう。
冒頭を読むだけで、目の前に整った顔のマネキンが現れる。
これ程読者を引っ張る事が出来るの作品は心から作者様を尊敬する。
内容は、好き嫌いがあるかもしれないけれど、作者様の「これが私の作品だ!」といいながらエルボーを食らわせてくるイメージが伝わってくる。
ダークでグロテスクなのに、心を掴んで離さない。
そうして読み終わった後に余韻に浸れる作品だった。